スポークの再メッキですが
電気メッキでは厚みがなかなか出せないので
無謀とは知りつつ溶融亜鉛メッキに挑戦してみました
まずは結果から
・・・・・・・・・・・・・・やっぱムリ
でも、せっかくやってみたので今後のためにもレポートしてみます
まずは情報収集から
手当たりしだい検索しましたが、こんな無謀なことする人はいない様で
ちょっと不安になってきました
唯一貴重な情報として
溶融亜鉛メッキ協会のマニュアル(PDF)に詳細な工程表が出ていたので
これを参考にして作業を進めます
工程的には
1.脱脂
工程的には
1.脱脂
10~15%の苛性ソーダ(水酸化ナトリウムのことです)溶液を70~80℃
に熱し脱脂
2.水洗
3.酸洗
2.水洗
3.酸洗
5~15%の塩酸又は硫酸溶液で表面処理
4.水洗
5.フラックス
4.水洗
5.フラックス
70~90℃の塩化亜鉛アンモニウム又は塩化アンモニウム溶液で
フラックス皮膜を作る
6.乾燥
7.メッキ
6.乾燥
7.メッキ
430~510℃に熱した純度97.5%以上の亜鉛槽に漬ける
8.遠心分離
8.遠心分離
余分な亜鉛を除去
9.塩化アンモニウム処理
9.塩化アンモニウム処理
90℃の10~15%の塩化アンモニウムで表面処理
10.冷却
10.冷却
40~80℃の水で冷却
となっています
で・・・・・・ここで一番の問題は8の遠心分離
亜鉛浴槽中にある間はいいのですが、引き上げた瞬間すぐに固まってしまいます
となっています
で・・・・・・ここで一番の問題は8の遠心分離
亜鉛浴槽中にある間はいいのですが、引き上げた瞬間すぐに固まってしまいます
きれいにしずくを除去するためには、亜鉛の融点以上の温度中で
しずくを飛ばす必要がありますがそんな大掛かりな装置は持っていません
結局解決しないまま作業を開始することになりました
まずは1の脱脂作業
結局解決しないまま作業を開始することになりました
まずは1の脱脂作業
これはパーツクリーナーでも大丈夫ですが
酸洗するので軽く洗剤で洗う程度にしておきました
3の酸洗はもちろんサンポール
3の酸洗はもちろんサンポール
2倍に薄めるか原液のままで5~10%の塩酸溶液となります
5のフラックス処理は塩化亜鉛アンモニウムの方がいいのですが
5のフラックス処理は塩化亜鉛アンモニウムの方がいいのですが
手に入りそうに無いのでAmazonで塩化アンモニウムを購入しました
塩化アンモニウムは食品添加剤にも使われているので
塩化アンモニウムは食品添加剤にも使われているので
簡単に手に入ります。
爆薬の原料にもなったりしますが・・・・・・
とりあえず濃度がわからないので
とりあえず濃度がわからないので
熱しつつ飽和溶液を作りました
↑加熱溶解中
亜鉛に関しては、材料屋.comというところで粒状のものが手に入るのですが
亜鉛に関しては、材料屋.comというところで粒状のものが手に入るのですが
若干高いので、船体のサビ防止に使われる防蝕亜鉛版というものを入手しました
楽天で手に入ります
この亜鉛版
大きすぎるのか、接触する面積が少ないのか
この亜鉛版
大きすぎるのか、接触する面積が少ないのか
1時間ぐらい電気コンロで熱してもなかなか温度が上がらず
まったく解ける気配が無く、ムカついたのでバーナーで熱しました
しゅごぉぉぉぉぉぉぉ
ど、どうだ、熱いか
ど、どうだ、熱いか
ひぃぃぃぃぃ
もう限界です~~~
・・・・・・・さて溶けたところで
もう限界です~~~
・・・・・・・さて溶けたところで
いよいよスポークのメッキをしてみます
このとき気をつけなければいけないのは
このとき気をつけなければいけないのは
フラックスした部品は、よ~く乾燥させること
でないと水分が蒸発して液状化した450℃の亜鉛が飛んできます
でないと水分が蒸発して液状化した450℃の亜鉛が飛んできます
ヤケドどころでは済まないので細心の注意を
結果は・・・・・・
ボロボロです
画像上のものはわりかしきれいにつきましたが
結果は・・・・・・
ボロボロです
画像上のものはわりかしきれいにつきましたが
満足できるレベルとは程遠いものです
何度かやってみていちおうきれいに付くようにはなりましたが
何度かやってみていちおうきれいに付くようにはなりましたが
余分な亜鉛のカスが残ってしまい、冷却後に研磨が必要になります
やり直しても良かったのですが
やり直しても良かったのですが
スポークのネジを避けつつメッキ掛けするのと、後から72本を研磨することを考えると
時間の無駄と判断したので、中断し再びサンポール付けして亜鉛を落とすことにしました
ただ、ネジの切ってないものや、数量の少ないものなら十分にやってみる価値はあると思います
きれいにメッキするコツは
1.下地処理は完璧に
ただ、ネジの切ってないものや、数量の少ないものなら十分にやってみる価値はあると思います
きれいにメッキするコツは
1.下地処理は完璧に
できればブラスト処理が望ましいです
2.メッキ前の付着物は完璧に取り除く
2.メッキ前の付着物は完璧に取り除く
残っていると焦げてメッキがきれいにかかりません
3.メッキ層から引き上げるときは縦方向にゆっくりと
3.メッキ層から引き上げるときは縦方向にゆっくりと
横方向に引き上げると亜鉛のしずくがきれいに落ちず、でこぼこになります
深さのある大きめの容器でメッキ掛けしないと仕上げがきれいにできません
というわけで、大量の亜鉛と大きな浴槽が手に入れば
というわけで、大量の亜鉛と大きな浴槽が手に入れば
再度チャレンジしたいと思います
次は電気メッキに挑戦だぁ!!
次は電気メッキに挑戦だぁ!!
コメントする